hrad(ハルト)少佐 young otaku

約十か月ぶりの失踪を経て復活した、若きオタク

10年ぶりに見た 「仮面ライダー対ショッカー」

十年前に観た1972年公開の映画「仮面ライダー対ショッカー」を観ました。

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本作は1972年に、東映漫画祭りの一遍として公開された中編映画です。上映時間は32分。

テレビ版「仮面ライダー」の爆発的ヒットと「変身ブーム」を受け、テレビ版と同じキャスト・スタッフで撮影されたようです。本作公開時はテレビ版が絶賛放送中だったため、同時系列での撮影となったそう。

本作での注目すべき点は主に2つ

1つは、仮面ライダー1号役として藤岡弘さんが完全復帰し、「1号の変身ポーズ」の初披露となったこと。これはかなり有名な話ですが、藤岡さんはテレビ版第10話の撮影中、バイクシーンで大事故にあい、撮影続行と不可能となっていました。これが第14話から登場する「仮面ライダー二号」及び「変身ポーズ」誕生の経緯となった訳ですが、藤岡さんが「仮面ライダー一号」として復帰するのは第53話からと、実に39話分の期間が空いてしまいます。

※第13話まで出演自体はしていたものの、過去の映像を流用して繫ぎの出演であり、直接演技はしていない。

しかし本作はテレビ版第46話と並行して撮影されたため、本編での「新1号」が登場する前に「初変身ポーズ」が披露されている貴重な作品だ。さらに本作における1号のビジュアルは、【明るい緑のマスクボディに2本の白いライン】が入った「新1号」ではない。【初期のマスクにあり合わせの黒いカラーで塗装したことで誕生した、全体的に黒いビジュアル】の「桜島1号」と呼ばれる姿で登場した。新1号以外での変身ポーズは、私の知っている限りでは見たことがない。

本作における「変身ポーズ初披露」は、藤岡弘演じる「本郷猛」が帰ってくるということ、2号ライダー一文字隼人との再交代の予兆であるのだ!

 

注目すべき点2つ目は、ショッカー戦闘員の姿が、誰もがよく知るあの黒づくめで髑髏のようなビジュアルになったこと。これは一つ目に比べたら大層な事ではないが、一応記しておこう。

 

あらすじ

地球物理学を研究する大道寺博士の研究所が、「死神博士」率いるショッカーに襲撃された。ショッカーは大道寺博士の研究成果を奪い、その技術を使って地球の基軸を変え、日本列島を沈めようと計画していた。しかし奪われた研究データには、最も肝心な部分である「GX の方程式」が載っていなかった。大道寺博士はこのような事態に備えてあらかじめ別の場所に隠していた。

ショッカーは方程式の在りかを聞き出すため、博士の部下である阿野を改造人間「ハエ男」に改造し、博士に接触。『方程式は娘の珠美に預けてある』という情報を聞き出したショッカーは博士を始末しようとする。

そこに、FBI捜査官「滝和也」と、「一文字隼人」が駆けつける。一文字はハエ男と戦い、そこに改造人間「サボテグロン」に「モグラウン」が現れるが、一文字は「仮面ライダー2号」へと変身。ライダーキックによって三体の改造人間を撃破した。

 

その間、『娘の珠美に方程式を預けた』ことを知ったショッカーは別動隊を送り込み、改造人間「ドクガンダ―」「アリガバリ」が大道寺邸を襲撃。娘の珠美を連れ去った。車に戻ったドクガンダー達。しかし配下の戦闘員が気を失っていた。そこに本郷猛が現れる。珠美を取り返すため、本郷は「仮面ライダー」に変身。珠美を庇いながら二体の怪人と懸命に戦い、「アリガバリ」を撃破。しかし本郷の背後から新しい改造人間「ザンジオー」が現れる。ザンジオーの奇怪な能力によって不利に立たされるが、そこに仮面ライダー2号が駆けつける。ダブルライダーの共闘によりドクガンダーを撃退するが、すんでのところで珠美を奪われてしまった。

ショッカーは珠美の無事を保証する代わりに、大道寺博士と珠美を交換する条件を提示。ダブルライダーをショッカーの大軍団が待ち受ける…。

 

本作で見ものなのは、ショッカー大軍団とダブルライダーの戦い。

かなりの数の改造人間が登場し、ダブルライダーに襲い掛かる。かつて登場した改造人間が再び戦う姿を見られるのもかなり良きだと個人的には思う。

さらにはテレビ版でまだ出ていない、これから登場予定の怪人まで登場する。メイン怪人の「ザンジオー」やその他「ギルカラス」など、「新1号、新2号」になってから登場する怪人が旧1号2号と戦う光景はかなりレアだ。

 

これは思う人もいくらかいるとは思うが、大勢の改造人間がバッタバッタと倒されていく光景に違和感を覚える人もいるかもしれない。

「怪人って幹部クラスの強さなのに、束になって戦って負けるなんておかしいじゃん」

と思うだろう。

しかし登場する改造人間はいわゆる「再生怪人」。既にライダーによって倒された怪人に再生手術を施したもので、もとの体よりは性能がかなり落ちているという設定だ。

要するにやられても仕方がない。

テレビ版第11話においても、かつてライダーが倒した怪人が再生され、再びライダーに倒されている。ということはその時の怪人は、本作を含めると2度の再生手術を受け、2度もライダーに倒されているということになる。これはさすがにかわいそう。

 

次々と怪人が襲ってくる中、本郷と一文字は

「変身…!」

この力強い「変身」というセリフと、湧き上がる高揚、安心感は何だろうか。

思わずテレビの前でポーズをとる自分がいた。

 

ザンジオーを倒したダブルライダーは固く握手をする…。

ライダーの勝利を実感するとともに、仮面ライダー 本郷猛」の帰還を実感させる。改造人間としての苦しみに耐えながら「孤独」にショッカーと戦い続け、2号ライダーに日本を託しヨーロッパへと飛び立った本郷。

しかしもう一人じゃない!二人で、おやっさんや滝のような仲間たちと一緒に戦っていくのだ!

 

このような「これからは2人で戦っていく」という流れは、『シン・仮面ライダー』でも描写されていた。本郷のプラーナをマスクに残し、いつでも一文字と一緒にいる。お互いもう孤独じゃない。これからは2人で戦っていくんだ。

 

最後に

前述したとおり本作には、テレビ本編より先駆けた「1号の変身ポーズ」や新ビジュアルになる前の変身など、貴重なシーンが多く盛り込まれている。私は近所のゲオでレンタルした。こんな田舎のゲオにあるくらいなので、もっと大きな町の品ぞろえがいい店なら高確率でレンタルできるだろう。観たことがないライダーファンには、ぜひとも観てみてほしい。

 

カラースター、コメントなどよろしくお願いします。読者になってもらえればより幸いです。お付き合いありがとうございました。